2014.04.20
そば包丁ほど重さを気にされる包丁はありません。
今ほどそば打ちがブームでなかった頃には
尺1寸(33cm)で1200g位のストレートハンドルが一般的で
重さで切るものでしたが
高橋名人とやらが尺2寸(36cm)で700gを下回るような
ドロップハンドルのものを使い始めてからは
そば打ちオヤジたちがその切り方を真似て
やたらと軽い包丁を求めて来るようになりました。
軽くするには薄くするしかありませんが
しっかり鍛造した良い包丁は
薄いほど経年変化で歪が出やすく
包丁屋にとって厄介です。
その結果として
片刃包丁にもかかわらず
利器材と呼ばれる両刃包丁用に始めから
軟鉄でサンドウィッチにした鋼材を
あまり鍛造せずに片刃に仕上げたものが
主流になってしまいました。
悪貨が良貨を駆逐したのです。
まあ、そば打ちブームになってからは
素人の包丁屋がその手の雑誌に派手な宣伝をして
ぼろ儲けできるような業界ですが。
おかげで、手間の掛かる
そば包丁の研ぎ直しが多くて困ります。
頼まれると断れないたちなので。
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