2024.08.27
こんにちは。 かまた刃研社 四代目の 鎌田陽介 と申します。
今回から、このブログを通じて、私が日々行っている研磨(包丁の修理)の様子や
包丁に関するお話ができたらと思い、こちらの投稿を始めました。
まずは初回ということで包丁を研ぐ道具をご紹介します。
こちらが包丁研ぎで欠かすことのできない道具 「丸砥石」 です。
皆さんは四角い形をした「角砥石」を使って包丁を研がれると思いますが、
私たちは仕事で研ぐ包丁の量が非常に多いため、こちらの丸砥石を使います。
グラインダーと同じように、機械の力を使って包丁を削りますが、こちらの砥石は
「水砥」と呼ばれることもあり、基本的に水を使います。
包丁は、過度な熱を加えると鋼材に悪い影響を与えます(焼きなまり)。
そのため、研ぎで起こる摩擦熱を水で冷却しながら刃物を研ぐ必要があるのです。
この道具は新潟県燕三条、岐阜県関市、大阪府堺市、福井県武生など、刃物で有名な産地でも
使われています。
包丁には和包丁と洋包丁があり、形状も異なります。
同じ丸砥石であっても、各産地の職人や工場によって、道具のコンディションや使い方を変えています。
特に、大阪府堺市に代表される「和包丁」は伝統的な「片刃」の包丁であり、裏側は「裏スキ」と呼ばれる窪んだ形状になります。
和包丁を作る際は、この丸砥石は欠かすことのできない大切な道具です。
私たちの店でも、この丸砥石があるおかげで、ほとんどの種類の包丁を修理することができるのです。
かまた刃研社の店内では、毎日この砥石が回転して使われています。
合羽橋に遊びに来た観光客や海外のお客様が、初めて見るその光景に、店頭で足を止めたり、
写真を撮られることが多々あります。
合羽橋で日本の刃物文化に触れる、良い機会となってもらえて嬉しいですね。
それではまた。
かまた刃研社 四代目 鎌田陽介
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