2024.10.19
こんにちは。
本日は、包丁によく見られる問題の一つである「刃こぼれ」について説明します。
写真の包丁は弊社でご購入頂いた万能の三徳包丁です。
日立金属製の「青紙二号」という硬くて長持ちする高純度の鋼材を使用し、新潟県燕三条の老舗メーカーにて製造されている当社のオリジナル商品です。
今回、お客様から大きな刃こぼれを起こした包丁の修理依頼を承りました。
この「刃こぼれ」とはどのような使い方が原因で起こるのでしょうか。
主な原因は「硬いもの」を切ろうとすることにあります。
例えば、「冷凍食品」や「骨」などが該当します。
「刃の鋭い包丁なら、どんなものでも切れる」というのが、包丁に対するよくある誤解です。
鋭い切れ味の包丁は、刃が「薄く」されているため、切れ味の良さと引き換えに非常に繊細です。
柔らかい食材は綺麗に切れますが、硬い物を切ると刃が欠けやすいリスクがあります。
通信販売の番組では、包丁の切れ味を表現するために硬い食材を切るパフォーマンスが頻繁に行われ、これが視聴者の間で誤解を生んでいます。
日本製の新品の包丁は刃が特に薄くて鋭いので、海外のお客様が刃を欠けさせるトラブルがしばしば発生します。
逆に、長く使ったことで切れ味が鈍くなった包丁は、刃が厚くなっており、無理な使い方をしても刃こぼれしにくいことがあります。
そのような刃の厚い包丁がご用途によっては適しているケースもあります。
刃こぼれは、刃物を販売する際に最も注意を払うべき問題の一つです。
お客様の要望を丁寧に聞き、用途に適した包丁を提案することが重要です。
そのためには、販売店もこの問題を十分に理解し、適切な知識を持っていなければなりません。
今回お預かりした包丁は、大きな刃こぼれがありましたが、当社の修理により、再び鋭い切れ味を取り戻しました。
もし同じような症状でお悩みの方がいれば、ご相談いただければ修理が可能かもしれません。
合羽橋にお越しの際は、是非、かまた刃研社までお立ち寄り下さい。
それではまた。
合羽橋 包丁専門店 かまた刃研社 四代目 鎌田陽介
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