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2024.10.29

包丁に寿命はあるのか

こんにちは。

今日は包丁の寿命についてお話いたします。

写真の包丁は先日訪れました、関市にある「フジタケ」さんの包丁です。

V1 スライサー 180㎜ 12000円(税込)

左にあるのが弊社で販売中の新品の包丁で、右にあるのが研磨にお持ちいただいた、

お客様の包丁です。

並べて見ても、同じ包丁とは思えないほど減っていますね。

この「V1」という素材はステンレスの包丁の中でも硬く上質な素材です。

ここまで研ぎ込んで使うのはかなり至難であったと推測されます。

長年ご愛用いただきありがとうございます。

ここまで刃が研ぎ込まれますと、刃の厚み自体がかなり分厚くなり、切れ味に影響します。

また、形の方もお持ちの砥石に合わせて減っているため、通常ではならないような形に変わっています。

包丁は研いで使う「道具」ですので、切れ味を復活させるために、定期的な研ぎ直しが必要です。

ですが、包丁は峰(背の部分)に近づくにつれ、分厚くなります。

一定の部位まで研ぎ込みますと、同じように研いでも切れ味の持続が悪くなります。

研いで厚みを落とすのにも限界があるのですね。

毎週、包丁を研いで使うのは、少し頻度が多すぎるかと思います。

ですので、包丁は「適度な頻度で研ぎ直して使っていく」が最適解になります。

そして、ある程度の年月で、新規購入されるのがよろしいかと思います。

とはいえ、ここまで使い込むのにはかなりの年月が必要ですし、

あまり研がないで使うご家庭用の包丁でしたら、10年以上はお使いになれると思います。

今回のお客様も、新規でご購入頂きましたが、今までの思い入れがあって研磨したいというご希望でしたので、説明の上、研ぎ直しをお受けしました。

弊社の包丁を大切に使って頂いて、心より嬉しく思います。

それではまた。

合羽橋 包丁専門店 四代目 鎌田陽介