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2024.09.17

和包丁は何が凄いのか

こんにちは。今日は和包丁のお話です。

和包丁は、日本の伝統的な刃物の中でも特にユニークな存在です。

現在、世界中で「和食」が人気を博しており、その調理に不可欠な「和包丁」への関心も高まっています。

それでは、和包丁の何がそんなに素晴らしいのでしょうか。いくつかのポイントをご紹介します。

*参考画像 白二鋼 東方薄刃 本鍛造 195㎜

①専門性に特化した道具

和包丁は主に「片刃」で作られています。片刃の包丁は両刃の包丁と異なり、万能ではありませんが、特定の作業に特化した形状をしています。

お刺身には「柳刃」、魚をおろす際には「出刃」、野菜切りには「薄刃」が適しています。

それぞれの用途に最適な性能を発揮するために、刃渡り、刃の厚み、刃の幅などが調整されています。

使いこなすのは難しいですが、道具を上手に使えるようになると、非常に繊細な作業が可能になります。

②職人さんによる本鍛造品

「本鍛造」とは、鋼と軟鉄という異なる素材を約1000℃の高温で加熱し、打ち叩いて結合させる作業を指します。

そのため、伝統的な和包丁は、鋼と軟鉄の二枚構造で製造されています。

鋼の切れ味を極限まで高めるために片刃にし、刃を薄くする一方で、軟鉄の柔軟性が刃にかかる衝撃を吸収し、刃こぼれを防ぐ役割を果たしています。

この二枚構造は合理性を追求した結果生まれました。

単に言葉で説明するのは簡単ですが、これは非常に難しく、高度な技術に支えられています。

確かに、日本の刃物職人の技術は世界でも類を見ません。

③砥石で研ぎ易くできている。

和包丁の表面にある「切り刃」は、基本的に平面で構成されています。

裏面には「裏スキ」と呼ばれる凹みがあり、刃先が平面に接触するように設計されています。

この構造により、「角砥石」を使用して包丁を研ぐ際に、効率的に刃を研ぎ澄ませることが可能です。包丁の平面と砥石の平面を合わせて研ぐという、非常にシンプルな原理に基づいています。

和包丁の構造を最初に考案した人は、非常に賢明な方でした。

また、刃物は研ぐことを前提とした道具であるという点が、その設計にしっかりと反映されています。

以上に述べたように、日本の和包丁は使用者のニーズを深く理解して作られています。

物事を徹底的に追求する日本人特有の性質が、「和包丁」の存在を支えているのです。

和包丁が世界中で広まり、受け入れられているのは、自然な成り行きかもしれません。

ではまた。

合羽橋 包丁専門店 かまた刃研社 四代目 鎌田陽介